焙煎された茶葉ならではの香ばしい香りがしますね。とても軽やかで、リラックスできます。お茶を飲んでホッとするのは、私たちが理屈抜きで感じるものですが、この10数年で日本茶の研究も随分進んで、ホッとする理由が解明されてきています。緑茶の中には、実は数百種類もの香気成分があるそうですが、その中でも、「青葉アルコール」「リナロール」「ゲラニオール」「ピラジン」という、4つの成分がとても特徴的だと思います。
「青葉アルコール」は、気持ちをおだやかにするリラックス効果があって、疲労回復にも役立つという証明がされつつあります。青葉アルコールをかいでいると、単純作業を続けた場合でも作業効率が落ちにくい可能性もあるそうです。「リナロール」は、アロマオイルの世界ではリラックスの代名詞とも言える「イランイラン」「ネロリ」「ラベンダー」などにも含まれる成分で、鎮静、血圧降下、抗不安の作用があります。また、「ゲラニオール」もアロマテラピーの重要成分で、鎮痛、抗不安作用があります。今挙げた3つの成分は緑茶全般に含まれている成分ですが、最後の「ピラジン」がほうじ茶独特の香りを作っている秘密のようです。「ピラジン」は、火入れで生まれる香り成分で、緑茶にも含まれています。ほうじ茶は緑茶にさらに火を入れる焙煎によって作られるので、この「ピラジン」が豊富になります。